イーシ オプムの中心にあるのは、チュライと呼ばれる香です。ガンビアとセネガルで、家ごとのレシピが世代を超えて受け継がれてきました。その材料として伝統的に使われるのが、パピルスと同じ科の植物の根、ゴウェです。ゴウェは土や日に温められた石を思わせる香りをもち、くすぶらせるとベチバーのような木の深みと、樹脂の温かさが立ち上がります。
香りが描くのは、雨が上がったあとの風景です。ブラックペッパー、アイダンフルーツ、バニラが日差しとともに地面を温め、続いてコーヒー、ベチバー、レザーがチュライの煙と混じりながら石の上に広がります。最後に現れるのは、樹皮と葉に身を隠した言い伝えの守り手です。湿った土と石の香りに、木と葉の陰が重なって終わります。
名前は、ガンビアで高く伸びるヤシ、ボラッサス・エチオプムを思わせます。2022年にガンビアで撮られたこのヤシの写真が添えられ、公式は、ひとつの周期の終わりと再生を静かに見届ける時間の目盛りとして紹介しています。2025年に発売され、2026年のアート・アンド・オルファクション・アワードでインディペンデント部門を受賞しました。











