1899
ジュニパーとブラックペッパーが、夜の始まりのように鋭く立ち上がります。やがてシナモンとアイリスが甘さを抑えた花の層を重ね、バニラとベチバーが暗い木の芯へと沈む。パリの夜を想わせる、スパイシーなウッディです。
調香師: ジェラルド・ギスラン
1899は、夜のパリを舞台にした香りです。シャンパンが注がれ、ジャズがカフェの壁を震わせる時代。芸術家や作家が愛と誘惑を語り合う、ブランドの物語には、そんな自由な空気が漂います。
始まりは、イタリアンベルガモット、ジュニパー、ブラックペッパー。柑橘の明るさに、ジュニパーの青く澄んだ香りとペッパーの刺激が重なります。夜へ踏み出す直前の、背筋が伸びるような鋭さがあります。
中盤では、オレンジブロッサム、フィレンツェアイリス、シナモンが加わります。アイリスの粉っぽい落ち着きと、シナモンの乾いた甘さが、花の香りを単なる華やかさで終わらせません。
最後は、バニラ、ベチバー、アンバー。バニラの甘さを、ベチバーの土っぽい苦みとアンバーの温かみが支えます。甘さが重くならず、夜の闇に溶けていくような余韻です。
劇場、ディナー、クラブ、ロマンチックな待ち合わせ。ブランドが描くのは、予定を決めて街へ出かける夜です。スパイシーなウッディをまとって、夜の予定に少し背伸びしたいときに。








