スプリング イン ボメ
チベットのボメの谷に春が訪れる香り。湿った森の苔と青い草木、桃の花の甘さ、アイリスの粉っぽさが重なり、ジャタマンシの土の温もりが支えます。緑、木、花が静かにほどける50mLのオードパルファム。
調香師: デルフィーヌ ティエリー
チベットと聞いて、多くの人は高地の冷たい空気や広い荒野を思い浮かべる。だがボメという小さな町は、豊かな谷に隠れている。三月から四月、古い森の苔が目を覚まし、朝の湿った霧の中で青く生き生きとした匂いを放つ。スプリング イン ボメはその目覚めの側から春を描いた香りだ。
最初に立つのはガルバナムとタラゴン、レンティスクの緑。刈りたての草に近い苦みと、樹脂のわずかな粘りが、霧の冷たさを思わせる。ヘディキウムの花を思わせる香りがそこに混ざり、青さを少しだけ柔らげる。
中盤では桃の花が開く。甘さは果実というより花びらに近く、ゼラニウム リーフの青さが輪郭を引き締める。チュベローズは厚く押し出さず、アイリスの乾いた粉っぽさと重なって、谷に咲く花々の密度を作る。
ベースにはベチバー、パピルス、モス、そしてジャタマンシ。ジャタマンシはヒマラヤのナルドとも呼ばれる根の香りで、湿った土と樹皮のような温かさを持つ。青い上部を支え、香りを地面へつなぎ止める役割だ。
着けるなら、春先の午前中がよく合う。肌に少量つけて、緑の苦みと花の甘さの重なりを確かめたい。甘い花束よりも、湿った森や土の気配を楽しみたい日に似合う。











