自画像は、「自分」というただひとつの未知数を解く方程式の答えかもしれない。「オートポートレート」はこの一文から始まる。ナタリー・ロルソンが手がけたこのオードパルファンは、他人に見せるためではなく、自分自身のために纏う香りとして構想された。自分の姿を見ることは内なる調和を体験することであり、その自分のなかに世界の美しさを見いだす。添えられた言葉は、香りを一枚の鏡のように扱っている。
香りの核にあるのは、ウッディノートの魂をむき出しにしたような木と樹脂だ。シャム産ベンゾインのやわらかな甘さとインセンスの乾いた煙が中心に据えられ、その下でオークモス、シダーウッド、ベチバーが、湿り気と乾きをあわせ持つ陰影をつくる。冒頭のベルガモットとエレミは、その奥へ入る前の短い明るさにとどまる。







