フギット アモールは、オーギュスト・ロダンの傑作のひとつに着想を得た香りだ。ブランドが注目したのは、大理石が持つ二つの顔だった。冷たく硬く、厚みと力を持つ石が、彫刻家の手に撫でられると、もろさや温もり、繊細さをあらわにする。その感触に、禁じられた恋の炎を燃やす感情が重ねられている。
主役はカーネーションで、とりわけそのスパイシーな面に光が当てられる。冒頭のピンクペッパー、エレミ、ジンジャー、カルダモン、シナモンは、凍るように冷たく結晶のような表情をつくる。この表情は、大理石の透明感と繊細さに想を得たものだ。そこから花の心が熱を帯びて開き、冷たい石と温かな感情の対比が香りの上に描かれる。ベースでは、ベチバーやシダーウッドのグリーンでウッディな響きが、官能的なムスクの上で力強く震える。調香はステファニー・バクーシュ。









