サイレナイド

オークニーのセルキー伝説が着想源。ビターアーモンドと水辺の花が香り、塩気を帯びたアンバーグリスと革のアコードが残ります。

ボーフォート ロンドン

調香師: ユアン・マッコール

ボーフォート ロンドン サイレナイド 50mL ボトル

舞台はスコットランドの北に連なるオークニー諸島です。この地の古い伝承には、アザラシの体に宿り、海から上がると皮を脱いで人に紛れる変身の生き物「セルキー」が登場します。たいていの物語では、土地の男に皮を見つけられて隠され、セルキーはその男と結婚させられます。「サイレナイド」はこの筋を反転させました。大切な皮をなめされたと知ったセルキーは男に毒を盛り、革を取り戻して、荒れる海へ帰っていきます。

トップはブルーフラッグアイリス、ウォーターホーソーン、ビターアーモンド、アニシード。水辺の花の冷たさを、毒を思わせるビターアーモンドとアニスの鋭さが貫きます。ハートのウォーターリリーとピンクロータスは、水の花がつかのま開いて、また水へ還っていく場面です。

ベースにはアンバーグリス、シダーアトラス、クルマバソウ、ピンシールというアザラシ革を思わせるアコードが置かれています。公式は、PVCとピンシールが溶け合い、そこに不穏なビターアーモンドが絡むと説明し、まとう人の肌の上で幾重もの「皮」が立ち上がる香りだとしています。塩気を含んだアンバーグリスとシダーが、革のアコードに、潮を思わせる奥行きを加えます。

香りの構成