火を囲んで語り継がれるおとぎ話。その火のそばにいるような香りを描いたのが、オドール 93です。カレント93と、その創設者デヴィッド・チベットへ捧げた一本でもある。
幕開けは煙たく、スパイシー。霧が出来事を覆い隠し、想像だけがふくらんでいく。歩みがゆっくりになるころ、チュベローズとナルキッソスのアコードが執拗に漂い始める。北欧の魔法の森に、霧の中で花が濃く香る場面です。
夜明けの淡い光が差すと、香りは森の枝のあいだに根を張る。ウッディで煙たく、動物的な気配を帯びたベースが、夢のような旅から目を覚まさせる。











