リトル ソング
机に残ったコーヒー、乾いていくバラ、指先の煙草。過ぎていく時間と、それが物事を変えていく感覚を、繰り返し歌う小さな歌として描いたパルファムです。
調香師: ジュゼッペ・インプレッザービレ
リトル ソングは、過ぎていく時間と、その中で物事が少しずつ姿を変えていくことを香りにしようとした作品です。作り手が向き合ったのは、自分の孤独と、時の流れを肌で感じる感覚でした。名前の「小さな歌」は、終わりなく繰り返される短い歌のこと。子守歌のように何度も書き続けるもの、とも語られています。
始まりは柑橘とスパイスの震えるような明るさで、作り手はそこに希望を聞いたといいます。続いて現れるのは、アトリエの机に置き去りにされたコーヒーカップ。底に残った濃く香ばしい香りから、記憶をたどり始めたという場面です。そこへ手に握られたバラの花束が重なり、花びらがゆっくり乾いていくような、深く粉っぽい陰りを帯びていきます。
奥にあるのは毎日の小さな儀式です。指のあいだで燃え尽きかけた煙草、その刺すような匂い、暗記するほど読み返したカフカのページ。土と煙、根と樹脂の気配が残り、時間そのものにも匂いがある、という考えで締めくくられます。











