アンコール・ワットの回廊には、何十ものガルーダを刻んだ浅浮彫りがある。日が沈むころに光が差し込むと、像はすべて金に覆われたように見えるという。ジュル エ マッドの「ガルーダ」は、ヴィシュヌやクリシュナとともに悪と戦う「鳥たちの王」の名を借りている。描くのは、ジャングルに呑まれ、石のまま時を止めた寺院群だ。組み立ての軸は、最初から最後まで金である。
ブランドの描く金には、正反対でありながら補い合う二つの面がある。金属の冷たさを受け持つのは果実とスパイスで、とりわけピンクペッパーが要になる。その向かいで、サフランが温もりを添える。中心ではカンボジア産ウードにサフランとラムが寄り添い、冷たさと温もりの対比を主役のアコードとして下から支えている。調香はルカ・マッフェイ。














