ディス イズ ノット ア ブルー ボトル 1/.1
アルデヒドの硬い光とビターオレンジの苦みから、金属的なゼラニウムと蜂蜜を経て、パチュリとアンバー、ムスクが肌に残る。公式が「抽象の香水」と呼ぶ一作。
調香師: ジェラルド・ギスラン, ジュリアン・ラスキネ
名前はルネ・マグリットの「これはパイプではない」に由来します。描かれたものと、それが名乗るものの間にあるずれを、そのまま香水にしたシリーズです。1/.1が題材にするのは「抽象」。花束や風景を示すより、素材の質感を際立たせる構成です。
最初に立つのはアルデヒドの光。石鹸のような清潔さではなく、金属の縁に触れたときのような張りがある。ビターオレンジの苦みがそこへ重なり、甘い果汁ではなく、皮を剥いた瞬間の鋭さとして広がります。
中心で香りを引き締めるのがゼラニウム。花の柔らかさより、葉をこすったときの青さと金属感が前に出る。蜂蜜の甘さが重なり、硬い輪郭をなめらかにする。甘さは主役ではなく、輪郭をなめらかにするためのものです。
落ち着く先はパチュリ。土の湿り気よりも、乾いた木の芯のような落ち着きがあり、アンバーとムスクがそれを温めます。温かい甘さが、鋭い出だしと対照を作ります。
着けるなら、気温の低い日や、布の多い服に合わせたい。軽いシャツよりも、革やウールの質感のほうが、この硬さと噛み合います。公式はこれを「抽象の香水」と呼んでいます。






