チャイ
ダージリンの茶畑で、夜明け前に摘まれるファーストフラッシュ。ベルガモットとカルダモンの軽い刺激から、ミモザとオスマンサスの柔らかな花、ダージリン茶とサンダルウッドの落ち着いた余韻へ。霧の冷たさと焙煎の温もりが同居する香りです。
調香師: バルナベ・フィリオン
ダージリンの茶畑は、ヒマラヤ山麓の緑の丘に広がる。夜明け前、農家の人々はまだ薄暗い畑で、ファーストフラッシュの若芽を一つずつ手で摘む。冷たい霧と、摘んだばかりの葉の青さが、この香りの出発点にある。
最初に感じるのは、ベルガモットの明るい柑橘とカルダモンの軽い刺激。そこへバイオレットリーフの青みが重なり、摘みたての茶葉を思わせる涼しさを作る。スパイスは強く主張せず、朝の空気を引き締める程度にとどまる。
中盤はミモザ、オスマンサス、イランイランが花の層を作る。オスマンサスの杏のような甘さと、イランイランの濃い花の香りが、緑の冷たさをゆっくりとほどいていく。
終盤はダージリン茶、ブラックティー、マテ、インディアンサンダルウッド。紅茶の渋みと焙煎したような温かさが、サンダルウッドの乾いた木の香りに支えられて長く残る。霧の冷たさと、茶を淹れる湯気の温もりが、一つの香りの中に並んでいる。
朝の静かな時間や、秋から冬の落ち着いた装いに合う。摘みたての葉を思わせる青さと、温かな紅茶の渋みを、肌の上でゆっくりと辿れる香りだ。









