調香師ジャック・フローリの出発点は、少年時代に自転車で走ったグラースの路地です。パチュリの季節には蒸留所のすぐ脇を通り、温かく濃い匂いを吸い込んでから家へ帰りました。その記憶がパチュリを一番好きな素材にした、と本人が語っています。
始まりはアロマティックとハーバルの青い苦み。そこへブラジル産トンカビーンのアブソリュートが、干し草のような甘い丸みを添えます。中心にはインドネシア産パチュリ、ハイチ産ベチバー、バージニアシダーが並び、湿った土と乾いた木がこすれ合うような、ざらりとした層をつくります。
ベースはアミリス、ベンゾイン、ラブダナムのアブソリュート。樹脂の粘りとほのかな甘さが木の芯を包み、パチュリの温かさを肌の近くに残します。オーデコロンの濃度で、土と樹脂の重い素材を正面から扱った一本です。








