オリヴィエ・ペシュー

素材を彫刻するように扱ったフランスのマスター調香師。明るく端正な筆致と自在な発想を併せ持ち、後進にも惜しみなく知識を伝えました。

France

Olivier Pescheux

オリヴィエ・ペシューについて

オリヴィエ・ペシューは、明るく端正な香りの筆致と、素材を別の物語へ変える柔軟さで知られたフランスのマスター調香師です。本人は華やかな肩書きよりも職人という言葉を好み、制作と後進育成を誠実に続けました。

経歴

1966年にパリで生まれ、イジプカを卒業。1990年にバンコクのパヤン・ベルトランでキャリアを始め、1992年にパリへ戻りました。翌年から花王で経験を積み、1998年にジボダンへ参加。クエスト インターナショナルでの短い期間を経て2006年に復帰し、マスター調香師として国際的に活動しました。2023年7月10日、57歳で亡くなっています。

創作スタイルと哲学

原料をそのまま提示するのではなく、彫刻のように削り、光と影を与え、新しい語り方を引き出します。柑橘や花の輝きから、木、樹脂、革の暗さまで幅広く扱いながら、構成には読みやすい線を残しました。情熱だけで暴走せず、実用的な判断と遊び心を両立し、若い調香師の視点も尊重した姿勢が創作文化へ受け継がれています。

代表作

  • 『オーデサンス』— オレンジの木を花、葉、樹皮まで立体的に描いた作品。
  • 『フルール ドゥ ポー』— ムスク、アイリス、種子の柔らかさを肌の記憶にまとめた作品。
  • 『オルフェオン』— 木、煙、パウダーを夜の余韻へまとめた作品。

手がけた香水