マーク・バクストン

芸術や音楽の感覚を香りの質感へ置き換え、無駄のない対比を築くイギリス出身の調香師。

イギリス

調香師マーク・バクストンのポートレート

マーク・バクストンについて

マーク・バクストンは、イギリス・ダービー生まれ、ドイツ・ハンブルク近郊で育ったパフューマーである。彼は「偶然のいたずら」でこの世界に入ったと語る。大学で地質学を学んでいた21歳の時、ドイツのテレビ番組で友人と香水のブラインドテストに挑戦し、その才能が業界関係者の目に留まった。

経歴

バクストンは、ハーマン・アンド・ライマーでキャリアをスタートし、その後、ルジなどで独立系コンサルタントとして活動。ジバンシィ、ヴェルサーチ、ヴァン・クリーフ&アーペル、パコ・ラバンヌ、バーバリー、カルティエ、ショパールなど、数多くのラグジュアリーブランドの香水を手がけた。特に、1994年に発表したコム・デ・ギャルソンの最初の香水は、彼の名を一躍有名にした。

創作スタイルと哲学

バクストンのスタイルは、シンプルさを追求した革新的なものである。彼は「シンプルさこそ究極の贅沢」というモットーを掲げ、短いフォーミュラで構成された、透明感のあるウッディな作品を多く生み出している。また、型にはまらないノートの組み合わせや、アヴァンギャルドな感性で知られ、業界内外から高い評価を得ている。

代表作

  • 『コム デ ギャルソン オードパルファム(1994年)』— クローブ、シナモン、カルダモン、ナツメグの密なスパイスを、インセンス、ラブダナム、シダーの樹脂的な暗さへつないだデビュー作。
  • 『コム デ ギャルソン 2(1999年)』— アルデヒドの光と黒いインクのアコードを中心に、マグノリア、パチョリ、シダー、インセンスを重ねた、紙と墨を思わせる抽象的な構成。
  • 『コム デ ギャルソン 2 マン(2004年)』— インセンスとベチバーの乾いた軸に、サフラン、ナツメグ、革、マホガニーを組み、煙と木肌の質感を端正に描いたウッディ・スパイシー。

手がけた香水