プンプン
キウイとローズの明るいフローラルに、木とムスクの柔らかさが重なるオードパルファム。名前には、シュワッと弾けるような元気さが重ねられています。
#483 · 2026-09-14
香水の基本情報と第一印象
メゾン マティンのプンプンは、キウイとローズの組み合わせが特徴のオードパルファムです。2021年に登場した、性別を問わず楽しめる香水。香調はフローラル・ウッディ・ムスキーで、花、木、ムスクを組み合わせています。
名前の「プンプン」は、ブランドの公式FAQで、シュワッと弾けるような元気さと説明されています。かわいらしい響きと、明るい果実と花の印象が重なる名前です。
最初に思い浮かべたいのは、果実の甘酸っぱさと花の明るさ。キウイの名前に惹かれて試す人にも、ローズが始まりからあることを知っておくと、全体を想像しやすくなります。花の香水をあまり使わない人にとっても、身近な果物が香りを知るきっかけになりそうです。
ボトルは横に広い透明な角形。白系で細かな粒模様のある円柱形のキャップと、色とりどりの小さな絵が目に入ります。動物や人物、果物、飲み物、音楽機器を思わせる絵柄は、マティルド・ピュルセグルが手がけたもの。香りをつける前にも、ひとつずつ眺めたくなる楽しさがあります。
調香師・ブランドの背景と制作秘話
プンプンを作ったレミ・バルビエは、南フランスのプロヴァンスで育ちました。幼い頃の記憶にあるのは、タイムやローズマリーなどの香草、松やシスタスの木や樹脂の匂い。身近な自然の匂いに親しんできた人です。
大学では化学を学び、調香師ジャン=クロード・エレナのもとで研修を経験しました。原料に触れる中で香りを作る仕事に惹かれ、ヴェルサイユの調香学校イジプカへ。香料会社オンリー フレグランシズでは、チーフパフューマーとして紹介されています。旅行やトレイルランニングも、着想の源に挙げています。
メゾン マティンは、もともと同僚だったマリーとアーチューが2019年に始めたブランドです。自分たちに合う香水を作ろうという出発点があり、自由な創作と、多様な人が楽しめることを大切にしています。香りとグラフィックの協働も、その特徴です。
プンプンは2021年のリフレッシュという3本の香水のコレクションに含まれます。背景にあるのは、外出制限を経験した時期から、人と会う日常を再び楽しみたいという気持ち。家族や友人との交流、休暇、パーティー、レストランやテラスで過ごす時間。そうした身近な楽しみに目を向けた作品です。
明るい花の香りと、楽しげな絵柄を見たあとでこの背景を知ると、どんな日に使いたいかも浮かんできます。大きな記念日だけでなく、友人とごはんを食べに行くような外出にも、似合いそうです。
香りの詳細分析
トップノートは、ローズ、マンダリンツリーフラワー、オレンジ、キウイ。マンダリンツリーフラワーはマンダリンの木の花を指します。果実の名前だけが並んでいるわけではなく、初めから花が組み合わされています。
キウイの甘酸っぱさを思わせる果実感と、オレンジの明るさ。そこにローズの柔らかさが重なる、と考えると香りを想像しやすくなります。ブランドも、プンプンをローズとキウイの組み合わせで紹介しています。
ミドルノートは、オーキッド、ピオニー、フリージア、ローズです。オーキッドはラン、ピオニーはシャクヤク。花の名前をすべて知っていなくても、果実の印象に柔らかな花の甘さが加わる、と捉えてみてください。
ローズはトップにもミドルにもあります。始まりにある花の印象が、香りの中心にも続く構成です。いくつもの花が重なることで、果実だけを追うときとは違う、花のまとまりにも目が向きます。
ベースノートは、ムスク、サンダルウッド、エボニー、バニラ。エボニーは黒檀の木を思わせるノートです。サンダルウッドとともに木の落ち着いた感じを加え、ムスクの柔らかさにバニラの甘さが重なります。
明るい果実と花に惹かれたら、後半の木やムスクまで確かめたいところ。初めの印象に加えて、時間がたった肌に残る穏やかな甘さも、プンプンを楽しむ手がかりになります。
他の香水との比較・ポジショニング
ジョー マローン ロンドンのイングリッシュ ペアー & フリージアは、熟した洋梨と白いフリージアに、パチョリの木を思わせる深みが加わるコロン。プンプンにもフリージアが入り、果実と花の組み合わせが共通しています。キウイとローズの明るさに惹かれるか、洋梨のみずみずしさと白い花に惹かれるかが、選ぶ手がかりになります。
ディプティックのオーローズ オードトワレは、ダマスクローズとセンティフォリアローズに、ライチを思わせる香りを組み合わせています。花びらだけでなく、葉や茎まで含めてバラ全体を描く作品です。果実とローズという共通点がありながら、プンプンはキウイといくつもの花、オーローズはライチとバラが手がかり。バラそのものの表情を楽しみたいときに気になる一本です。
花と木、ムスクという組み合わせで見比べたいのが、バイレードのモハーヴェ ゴーストのオードパルファムです。マグノリア、粉を思わせるバイオレット、サンダルウッドの柔らかさがあります。バイオレットはスミレ。花の粉っぽい質感と木の柔らかさを楽しみたい人に、気になる作品です。
プンプンでは、キウイとローズの明るい果実感が手がかりになります。果実の甘酸っぱさに惹かれるか、それとも花の粉っぽい柔らかさが気になるか。同じ花と木の組み合わせでも、注目するところによって、試したい香水が見えてきます。
洋梨と白い花、ライチとバラ、粉を思わせる花と木。自分が好きな組み合わせから選ぶと、プンプンのキウイとローズの特徴も捉えやすくなります。
ここで比べているのは、各ブランドが公表している香調の構成です。実際に嗅いだときの似ている度合いを断定するものではありません。
購入ガイド・価格・おすすめ度
プンプンは、香料濃度20%のオードパルファムです。容量は15mlと50ml。小さい方も同じ濃度なので、使う頻度や持ち歩きやすさをもとに考えられます。
日本での価格は、15mlが8,800円、50mlが16,500円。どちらも税込みです。少しずつ使いたい、外出先へ持って行きたいという人には15ml。日常的に使いたいなら、50mlが候補になります。最新の価格や販売状況は、購入時に販売元で確認してください。
果実と花の組み合わせを気軽に楽しみたい人や、明るい気分で出かけるときの一本を探す人に向いていそうです。一方、キウイだけの香りを期待すると、花やムスクの存在感が意外に感じられるかもしれません。試すときは、最初の果実感と、時間をおいた花の甘さを両方確かめると判断しやすくなります。
実際の使用感・シーン・評判
とくに試してみたいのは、春や夏の日中。友人との街歩きやテラスで過ごす時間など、明るい外出に合わせたい一本です。白いシャツとデニムのような普段着にも、気負わず取り入れられそうです。
使った人の声には、果実の爽やかさや花の清潔感を好むものがあります。一方で、果実より花を強く感じる人や、石けんを思わせる感じが好みに合わないという人も。プンプンの親しみやすい明るさが魅力になるかは、花やムスクの好みによっても変わります。
持続についても、長く感じる人と短く感じる人がいます。濃度だけで残り方を決めつけず、自分の肌で確かめてみてください。人と近くで過ごすときは、初めから多くつけず、時間がたってから広がりを見てみるとよさそうです。
キウイという名前に惹かれたなら、そのあとも好きでいられる匂いかどうかが、日常の一本にするための手がかりになります。


