ボッカネーラが描くのは、キスの後に残る辛い感触。香りと味覚、好ましさと怖さの境目を、暗いチョコレートの質感で探る。お菓子のように甘いだけでなく、口に残るスパイスの刺激を思わせる香りだ。
カカオとチョコレートのほろ苦さに、チリペッパー、黒胡椒、生姜が鋭い輪郭をつける。ジャスミンの花の柔らかさ、ムスクとレザーの肌感、シダーとパチョリの乾いた深みが重なり、バニラと砂糖の甘さにも陰影が生まれる。
甘いグルマンにスパイスや革の表情を求めるときに。冷たい空気や夜の装いでは、濃いカカオと温かな辛さの組み合わせを楽しみやすい。
2014年にアレッサンドロ・グアルティエリが制作したパルファム。50mLの透明な角形ボトルに黒いガンメタルのキャップを合わせ、上面にはエチオピアとソマリア由来の黒い角をはめ込んでいる。












