グリシーヌは、ヴィラ・ボタニカに咲く紫の藤に着想を得たオードパルファム。2025年のフローラ オーケストラの現行商品で、ファブリス・ペルグランが手掛けている。藤棚の花がつくる涼しい日陰と、そこに漂う柔らかく、わずかにスパイシーな花の香りを描いた作品だ。見慣れた花の風景から、普段は意識しにくい藤の香りを取り出している。みずみずしい柑橘の輝きを、花の淡い表情と、風通しのよいムスクにつなげた、庭の涼しさを思わせる組み合わせだ。
フィンガーライムの弾けるような酸味に、ベルガモットの皮を思わせる明るさが響く。中心の藤は、柔らかな花の中に軽いスパイスを感じさせ、ホワイトピオニーの淡くみずみずしい花も重なる。基調のホワイトムスクが、花をなめらかで清潔な余韻へつなぎ、シダーウッドの穏やかな木が輪郭を支える。柑橘の明るさから花の涼しさへと移り、柔らかな木とムスクが残る香りだ。強い花の甘さより、透き通る花と軽い陰影を楽しみたい人に合う。
藤の咲く季節の庭歩きや、日差しのある日の外出に試してみたい。淡い紫や白の装いに、涼しい花と柑橘の表情を重ねる使い方が似合う。採用した50mLは、なだらかな肩の透明なガラスに、縦長の淡いラベルを合わせている。黒い円筒形のキャップと輪状の黒い首元が、明るい液色にくっきりした輪郭を与える。ラベルの下端は丸く湾曲し、中央にグリシーヌの名を置く。淡い黄緑を感じる液体と厚いガラス底が、花のある庭の光を思わせる。





