ベラ ドンナの出発点は、レオナルド・ダ・ヴィンチの肖像画《ラ・ベル・フェロニエール》だ。ブランドはこの絵を、世界でもっとも謎めいた女性の肖像のひとつと呼ぶ。モデルが誰なのかは今も謎に包まれている。描かれた女性は、硬く、厳しく、冷ややかにさえ見える。しかし抑えた感情を宿すまなざしの奥には、情熱や温もり、深い優しさが隠れている。その対比を香りに映すことが、この作品の主題だ。
香りの軸は、ブランドが「マグノリア・マグニフィカ」と名づけたアコードにある。マグノリア・アルバの花の清らかな白さを、センティフォリアローズ、ジャスミン、イランイラン、オリスバターが官能的に包み込む。冒頭はベルガモットとフレッシュなジンジャー、マルベリーアコードで明るく始まる。やがてサフラン、ベンゾイン、ラブダナム、ムスクのベースが、冷ややかな花の気品の奥に熱をのぞかせる。調香はルカ・マッフェイ。













