テイセンデゥは、1865年に古い帆船ミモザ号でパタゴニアへ渡ったウェールズ移民のtorta negra(黒い菓子)に触発された一本。立ち上がりはビターオレンジの皮をジュニパーの乾いた青さに重ね、ナツメグの温かい香辛が低く響き、ウェールズのティールームを思わせる。中心にはラムに漬け込まれたような甘く重たい酒精が据えられ、乾燥果実とナッツを連想させる濃密な芯を描く。ミモザは花というより金色のテクスチャーとして静かに流れ、やがてレザーとダークシュガー・クリスタルが乾いた甘さを残して余韻を閉じる。調香はロクサーヌ・カークパトリック。グルマンでありながら木質で乾燥した気配を保ち、焼いた菓子そのものではなく、炉のそばで記憶された温度を描く。






