エルは、どこにでもいるようで、どこにもいない人物として描かれています。親しみやすい柑橘から始まりながら、冷たい海の気配とスパイスの陰影を重ね、捉えきれない存在感を香りにした作品です。
レモン、マンダリン、セドラの明るさに、キャロットシードの柔らかな土っぽさが加わります。ジンジャーとブラックペッパーは、果実の甘さに鋭い刺激を添える役割です。マリン調の広がりのなかで、柑橘とスパイスの輪郭がくっきり感じられる構成です。
ジャスミンとシダーウッドが、白い花と乾いた木の質感をつなぎます。後半には422フランキンセンス、バーチ、422アンバーグリスが重なり、樹脂やスモーキーな木の印象へ向かいます。422の香料は、元の素材を直接使う代わりに香りを組み立て直したもので、明るい始まりの後ろに温かな深みを作ります。










