ライク ディス

2010年発表のエタ リーブル ド オランジェ「ライク ディス」は、パンプキン、ジンジャー、イモーテルを中心に、外へ幸福を探しに出て家の安らぎへ戻る物語を描くフローラル・スパイシーです。

エタ・リーブル・ドランジュ

調香師: マチルド・ビジャウイ

Etat Libre d'Orange / Like This ボトル

香水の基本情報と第一印象

エタ リーブル ド オランジェ「ライク ディス」は、2010年に登場したフローラル・スパイシーの香りです。パンプキンと聞いて甘いパイを想像すると、最初の印象はかなり違います。生のカボチャの青さ、乾いたジンジャー、イモーテルの温かな甘苦さが中心です。

調香師と制作背景

調香師はマティルデ・ビジャウイ。初出時は俳優ティルダ・スウィントンと強く結びつけて紹介され、当時の名称にも彼女の名が入っていました。現在の公式商品ページは「Like This」として紹介していますが、表示が変わった理由は公式確認できないため推測しません。

現在の公式ストーリーは、外の世界に幸福を探しに出たあと、家の安らぎへ戻るというものです。作品名は13世紀の詩人ルーミーの詩に由来します。

香りの詳細分析

トップはイエローマンダリン、ジンジャー、パンプキンアコード。マンダリンのほろ苦い皮と、すりおろした生姜の乾いた刺激、生のカボチャを切ったときのような青さが重なります。

ハートはイモーテル、ネロリ、ローズ。イモーテルはメープルシロップや乾いた干し草、カレーを思わせる甘苦い香りを見せることがあり、肌による違いが大きい素材です。ネロリが明るさを、ローズが花の輪郭を支えます。

ベースはベチバー、ヘリオトロープ、ムスク。土の乾き、柔らかなパウダー感、肌に近い温かさへ落ち着きます。

他の香水との比較

パンプキンやグルマンという言葉から連想する砂糖菓子よりも、野菜、土、乾いた花、スパイスに重心があります。同じブランドの挑発的な作品群の中では、過激さより親密さを前に出した一本です。

購入ガイド

現在の公式サイトでは50mlと100mlが案内されています。イモーテルは肌によって甘さ、干し草、スパイスの出方が変わるため、紙だけでなく肌で試すのがおすすめです。秋冬、とくに晩秋の空気に似合います。

使用感と似合う場面

自宅、秋の散歩、図書館や美術館など、香りを自分の近くで静かに楽しみたい場面に向きます。睡眠改善や精神安定の効果はうたわず、パンプキン、ジンジャー、イモーテルの温度感そのものを楽しむ香りとして紹介します。

香りの構成

エピソード