アバヴ アス、ステオーラ
イソップ「アバヴ アス、ステオーラ」は、カルダモン、フランキンセンス、ラブダナム、バニラビーンが冷たい星空から温かい余韻へ移る香りです。甘すぎないバニラと樹脂の静けさが、夜空を見上げるような奥行きを残します。
#169 · 2025-11-04
香水の基本情報と第一印象
アバヴ アス、ステオーラは、イソップの香水です。カルダモン、フランキンセンス、ラブダナム、バニラビーンが、冷たい星空から温かい余韻へ移るイソップの香り。 第169回では、この一本を単なるノートの一覧ではなく、最初に肌へ触れる空気、時間とともに現れる質感、最後に残る余韻まで含めて見ています。
第一印象で大切なのは、香りの強さよりも「どんな景色が立ち上がるか」です。 「天空のアンバー」をコンセプトに、伝統的なアンバーの甘さや粉っぽさを意図的に削ぎ落とし、スパイスの閃光と樹脂の深みを際立たせた、モダンで知的なウッディ・スパイシーな香りが特徴です。 香りを一言で捉えるなら、スパイスの閃光と樹脂の温かみが共存する、甘くない「天空のアンバー」 香りとの関係では、ボトルの「アンバー(琥珀色)」が、香調の「アンバー」と、インスピレーション源の一つである「化石化した樹脂(琥珀)」の色合いに直結しています。 ブランドのコンセプトとのつながりでは、最大のインスピレーション源であるメルボルンのイソップ・コリンズストリート店の「星屑の天井」は、まさにこのアンバーボトルを砕いたものを漆喰に混ぜ込んで作られています。ボトル自体が物語の核心であり、原点回帰的な意味合いも持ちます。 そのため、同じ素材名を持つ香水と比べても、アバヴ アス、ステオーラはブランドの美意識やボトルの佇まいまで含めて受け取ると輪郭がはっきりします。肌にのせた瞬間の明るさ、少し経ってから出る奥行き、服や空間に残る印象を分けて考えると、この香水のよさが掴みやすくなります。
調香師・ブランドの背景と制作秘話
イソップは、香りをブランドの世界観と結びつけて設計するブランドです。アバヴ アス、ステオーラでも、素材だけでなく、名前、視覚イメージ、発売時の文脈が一体になり、香水としての物語を作っています。調香師・制作に関わる人物としてはセリーヌ・バレルが挙げられ、香りの構造にもその解釈が反映されています。
制作背景を見ると、この香水は「良い香り」だけで終わらないように作られています。トップからラストへ一直線に変化するというより、最初に見えた印象が中盤で別の質感を帯び、最後に肌の近くで静かにまとまっていく構成です。 「天空のアンバー」をコンセプトに、伝統的なアンバーの甘さや粉っぽさを意図的に削ぎ落とし、スパイスの閃光と樹脂の深みを際立たせた、モダンで知的なウッディ・スパイシーな香りが特徴です。 香りを一言で捉えるなら、スパイスの閃光と樹脂の温かみが共存する、甘くない「天空のアンバー」 香りとの関係では、ボトルの「アンバー(琥珀色)」が、香調の「アンバー」と、インスピレーション源の一つである「化石化した樹脂(琥珀)」の色合いに直結しています。 ブランドのコンセプトとのつながりでは、最大のインスピレーション源であるメルボルンのイソップ・コリンズストリート店の「星屑の天井」は、まさにこのアンバーボトルを砕いたものを漆喰に混ぜ込んで作られています。ボトル自体が物語の核心であり、原点回帰的な意味合いも持ちます。 こうした背景を踏まえると、香料名の読み上げだけでは見えにくい、作品としての狙いが自然に見えてきます。
香りの詳細分析
トップではカルダモン、ベルガモット、エレミ、ブラックペッパーが入口を作ります。ここは香水の第一声にあたる部分で、明るさ、清涼感、スパイス感、果実感などが一気に立ち上がります。アバヴ アス、ステオーラの場合、このトップは後半の重さを予告するというより、最初に空気を開き、香り全体の方向を決める役割を持っています。
ミドルではフランキンセンス、ラブダナム、シプリオルハートが香りの中心を形づくります。
トップの輪郭が少し落ち着いたあと、花、茶、スパイス、ウッディ、パウダリーな質感が重なり、香水のテーマが最もはっきり見える時間帯です。ここで出るニュアンスは、ムエットよりも肌で確認したい部分で、体温や湿度によって柔らかく感じたり、逆にシャープに感じたりします。
ラストではバニラビーン、シナモンが余韻を支えます。
ベースは香りの印象を決める土台で、ムスク、ウッド、アンバー、バニラ、樹脂、ドライな素材が肌や服の近くに残ります。
アバヴ アス、ステオーラは、トップの印象だけで判断すると少し見落としが出やすい香りなので、少なくとも数時間置いてから、最後に何が残るかまで見たい一本です。
他の香水との比較・ポジショニング
他の香水との違いは、伝統的なアンバー香水が持つ「甘さ」や「粉っぽさ」を意図的に排除し、代わりにスパイスと樹脂の二面性を追求している点。 L'Occitane 「Eau des Baux(オーデボー)」 共通点としては、どちらもカルダモン、インセンス(フランキンセンス)、バニラを基調としたスパイシー・アンバー系の構造を持っています。 違いとしては、「オーデボー」の方がバニラの甘さが強く、サイプレス(ヒノキ)のウッディ感がはっきりしています。「ステオーラ」はよりドライで、シプリオルや(一部で言及される)クミンのような、より複雑なスパイス感と樹脂の側面が強調されています。 Aesop 「Marrakech Intense(マラケッシュ インテンス)」 共通点としては、同じイソップの作品として、スパイシー・ウッディな骨格や、顕著なカルダモンの使用が共通しています。
たとえば、同じフローラル、ウッディ、ムスク、グルマン、シトラスといった分類に入る香水でも、甘さの量、透明感、湿度、粉感、スパイスの出方が違えば、まとったときの印象は大きく変わります。アバヴ アス、ステオーラは、香りのジャンルだけで選ぶより、「どんな距離感で香らせたいか」「日常に寄せたいか、特別感を出したいか」という軸で考えると選びやすいです。比較対象がある場合も、優劣ではなく、明るいか暗いか、軽いか濃いか、清潔か官能的か、という質感の差で見ると判断しやすくなります。
購入ガイド・価格・おすすめ度
購入を考えるなら、まず公式サイトや正規取扱店で容量、価格、在庫、リフィルや限定展開の有無を確認したい香水です。 配信日は2025/11/04(季節感: 秋) 使用シーンは、香りの広がりが非常に穏やかな「スキンセント」と評されており、オフィスや親密な距離感の場面でも使いやすい香りです。 持続性は、標準的(約4〜6時間)と報告されています。 季節感は、スパイシーさと樹脂の温かみから、特に秋と冬の、少し澄んだ空気の中で纏うのに最適です。 価格と甘さの観点では、「ステオーラ」は「オーデボー」の約4〜5倍の価格帯です。甘く分かりやすいアンバーを求めるならオーデボー、ドライで知的なアンバーを求めるならステオーラ、という棲み分けが可能です。 理由: スパイシーな温かみと樹脂の深みが、涼しく澄んだ気候に最適です。肌寒い季節に、上質なセーターを纏うような心地よさがあります。 香水はレビューの印象だけでは判断しづらく、特にトップとラストの差がある作品ほど、肌での変化を追うことが大切です。
おすすめしやすいのは、アバヴ アス、ステオーラのテーマに惹かれ、トップだけでなく中盤以降の質感まで楽しみたい人です。反対に、ひと吹き目の印象だけで即決したい人や、常に同じ強さで香る直線的な香水を求める人には、少し繊細に感じる可能性があります。試すときは、ムエットで第一印象を見たあと、手首や腕で二時間ほど置き、服に移った残り香まで確認すると納得して選びやすくなります。
実際の使用感・シーン・評判
実際の使用感では、つける量と季節で印象が変わります。軽く使えば日中や近距離でも扱いやすく、少し多めに使うとブランドらしい世界観が前に出ます。 配信日は2025/11/04(季節感: 秋) 使用シーンは、香りの広がりが非常に穏やかな「スキンセント」と評されており、オフィスや親密な距離感の場面でも使いやすい香りです。 持続性は、標準的(約4〜6時間)と報告されています。 季節感は、スパイシーさと樹脂の温かみから、特に秋と冬の、少し澄んだ空気の中で纏うのに最適です。 価格と甘さの観点では、「ステオーラ」は「オーデボー」の約4〜5倍の価格帯です。甘く分かりやすいアンバーを求めるならオーデボー、ドライで知的なアンバーを求めるならステオーラ、という棲み分けが可能です。 理由: スパイシーな温かみと樹脂の深みが、涼しく澄んだ気候に最適です。肌寒い季節に、上質なセーターを纏うような心地よさがあります。
シーンとしては、作品の個性を主張したい日だけでなく、服装や気分に合わせて香りの質感を足したい日にも向いています。大切なのは、トップだけで「好き・苦手」を決めないことです。カルダモン、ベルガモット、エレミ、ブラックペッパーから始まり、フランキンセンス、ラブダナム、シプリオルハートを経て、バニラビーン、シナモンへ落ち着く流れを追うと、この香水がどこで一番美しく感じられるかが見えてきます。香水ラジオでは、そうした時間の変化と、作品にまつわる背景を合わせて楽しめる一本として扱っています。


