名前の意味は「愛の香り」。シチリアで育った調香師が、故郷への愛を込めた香水です。記憶をさかのぼる旅として子どもの頃を描き、母と祖母、そしてとくに父バルトロメオに捧げられています。
思い出の中心には、祖母ヴィンチェンツァの花咲く庭に大きな影を落としていたイチジクの木があります。香りはイチジクの乳っぽい青さで始まり、アルテミジアとベルガモットのほろ苦さが寄り添います。時間とともに角が取れて白く穏やかになり、母たちの服やシチリアの日差しを思わせます。その奥で、ジャスミンとイランイランの白い花が光を返します。
長い散歩から家へ戻る夕方には、乳香の厳かな香りと、シダーとサンダルウッドの温かな木の香りが、ベンゾインの甘さに寄りかかります。祖母の大きなイチジクの木の露の下、テーブルを囲んで昔話を聞いた声。作り手の人生でもとりわけ私的な一章が、パウダリーな柔らかさをまとって描かれています。









