マダガスカルを訪れたアレクサンドラ・カルランは、光を受けると色が青みを帯びる生姜の品種に出会った。皮を削ったような生姜の香りには、レモンやバーベナを思わせる響きがある。その香りを知った瞬間に香水にすると決めた、とカルランは振り返る。
ジンジャーリースは、柑橘を主役にしたコロンという古典的な様式を、新しく解釈し直す試みだ。ベルガモットの明るく澄んだ柑橘に、ブルージンジャーの噛みつくような鋭さが溶け込み、爽やかさの中に輪郭が立つ。アンジェリカの根は、その明るさの下に根らしい落ち着いた陰影を添える。
創作を貫く糸は光だった。色彩と対比に満ちたマダガスカルで、空と赤茶色の大地が出会う光景。光で色を変える生姜との出会いが、そのままこの香りの出発点になっている。


