エンプティ ハウスは、キム・ギドク監督の映画『うつせみ』(2004年)に着想を得た香りです。他人の家なのに、どこか懐かしい。不自然なほど整った白い部屋に、居心地のよさと気まずさが同居する、そんな場面を思い描いています。
ベルガモットの明るさとカルダモンの涼しいスパイスに、ローズとジャスミンが柔らかな花の表情を添えます。サンダルウッドとベチバーの乾いた木の香りを、ムスクとバルサミックな甘さが包み、全体を穏やかにまとめています。
曇った夏の日の重たい空気、湿ったコンクリートや濡れた浴室、白い壁紙と黒檀のタンス。マグニフが添える情景には、人の暮らしの気配と、静かな部屋の湿り気が重なります。言葉を交わさずに近づく二人を思わせる、ひそやかな親密さを題材にした一本です。







