エンジェルズ・ブレスは、ギリシャ神話のエロスとプシュケに描かれる、姿を見ることを禁じられた中で育まれる愛に着想を得た一本です。相手の輪郭を目で確かめなくても確かにそこにある、そんな静かな親密さが香りの軸になっています。
トップではレモンの瑞々しさを、やわらかなアンバーとバニラがふわりと包み込みます。酸味を切り立たせるのではなく、甘さの中にほんの少し感じさせるような導入です。
中盤でローズとジャスミンが並んで開き、二つの花が視線を交わさずに寄り添うように、どちらも前に出すぎず互いの輪郭をなめらかに繋ぎます。花の輪郭は曖昧なまま、親密さだけが残ります。
ベースではホワイトムスクのやわらかな肌の匂いと、パチョリの土と湿った葉のような深みが重なり、間近でだけ届く息のような温度を残します。甘さに任せきらない、落ち着いたアンバー・ムスキーです。






