ステアウェイ トゥ ヘブンの出発点は、ネパールのポカラ。ここからアンナプルナへ向かう長い山旅が始まる。何日も歩き、高い峠を越え、冷たい雨の中で果てしない石段を登り切った翌朝、外はまだ暗い。夜のうちに一面が真っ白に塗り替えられ、やがて周りの峰がひとつずつ光を帯びていく。ブランドはこの旅を、単なる移動ではなく自分を探す旅として語る。
セシル・ザロキアンは、その白さを8種のホワイトムスクで表した。ブランドによれば、この香りの白には二つの面がある。汚れのない澄んだ白と、温もりをもって包みこむ白だ。アルデヒドが冒頭に光を差し、オリスバターとヘリオトロープが柔らかさを加え、レッドベリーとクリーミーなノートが軽いグルマンとフルーツの表情を添える。
土台ではムスクの層に、バニラ、アンブロキサン、オリバナムのインセンスが重なる。そこに加わるダイナモンは、シスタス・ラダニフェルの葉と茎から得られる天然の抽出物だ。ここでは火薬を思わせる鉱物的、金属的な印象として働き、雪景色のような白に硬質な陰影を差しこむ。














