「ニン シャー」という名は、シュメールの庭の女神、あるいは植物の女神に由来する。着想源はバビロンの空中庭園だ。伝承では、ネブカドネザル2世が、故郷の緑の丘と谷を恋しがる妻アミュティスのために造らせたとされる。一方で、この作品には征服と争いの帝国という、バビロンの厳しいイメージも重ねられている。
この対比を一本で表すのが、トルコ産ローズアブソリュートだ。ブランドはこのバラを、柔らかな花びらから緑の葉、茎、棘、そして根に至るまで、植物まるごとの姿として描いたと説明する。粉っぽく慰めるような花の面に、青く、バルサミックで、木と土を思わせる面が絡み合う。庭の優しさと帝国の厳しさが、同じ香りの中に同居している。
冒頭ではローズリキュールとダバナエッセンスが中心のバラを迎え、奥ではウードとインセンスアブソリュートが深さを加える。調香はシドニー・ランセッスール。











