アン ドゥ トロワ ソレイユ
ビターアーモンドとバニラの甘さに、乳香の乾いた陰影がひとすじ入る。子ども時代の午後を着想源にした、明るいアンバー調の香り。
調香師: ドミティーユ・ミシャロン=ベルティエ
「アン ドゥ トロワ ソレイユ」はフランス語で「いち、に、さん、太陽」という意味です。フランスでは、日本の「だるまさんがころんだ」にあたる子どもの遊びの名前でもあります。バスティーユはこの香りの出発点に、子ども時代の午後のあたたかさと、大人の目を盗んでこっそり手にしたおやつのイメージを置いています。
中心にあるのはビターアーモンドです。マジパンのような丸い甘さより先に、杏仁に近いほろ苦さが立ちます。同じハートにあるヘリオトロープは、そのアーモンドの輪郭を、やわらかく粉っぽい花の質感で包みます。もうひとつのハートノートであるインセンス(乳香)は、甘さに乾いた樹脂の陰を差し込みます。この香りがお菓子の匂いだけで終わらないのは、乳香の働きによるところが大きいでしょう。
トップはベルガモット、ピンクペッパー、グレープフルーツです。柑橘の明るさと胡椒の軽い刺激が、始まりの甘さを引き締めます。ベースはバニラ、トンカビーン、ベンゾインです。アーモンドにも干し草にも通じるトンカの香りに、ベンゾインの樹脂らしい甘さが重なります。その上でアーモンドとバニラが、温かいひとつの余韻に溶け合っていきます。
調香はドミティーユ・ミシャロン=ベルティエです。この香りを「あたたかく、夏の匂いがして、楽しい」と表現しています。ブランドは原料の95%を天然由来の成分としていて、ビターアーモンドとバニラも天然のオイルやエキスとして原料表に載っています。
甘さははっきり感じられますが、柑橘と乳香がその甘さに芯を通しています。甘い香りは好きでも、バニラだけの丸さでは物足りない人に向いています。アーモンドの苦みと乳香の乾いた質感が、この香りの個性です。








