月明かりだけを頼りに古い森を歩く真夜中の散策。フラックスは、冷たい果実から深い針葉樹へ向かう香りに、その場面を重ねています。
アンドレア マークのフラックスは、カリフォルニアのセコイアを中心素材に掲げた香りです。調香はセリーヌ・バレル。トップ、ミドル、ベースの三段で公表された構成から、ひんやりした始まりが針葉樹の層を通り、木の芯へ降りていく流れが読み取れます。
トップはカルダモン、メントール、ブルーベリー。カルダモンの乾いたスパイスに、メントールのひやりとした清涼感が重なります。ブルーベリーは控えめな果実の甘さと深い色味を添える役です。甘さが前に出るのではなく、冷えた空気のなかに果実がひと粒混じったような配置です。
ミドルにはユーカリ、サイプレス、モミの針葉が並びます。ユーカリの澄んだ青さと、樹脂を含んだサイプレスやモミの緑が重なり、トップの冷たさを森の葉の香りへ引き継ぎます。
ベースはシダーウッド、セコイア、カシミア。中心素材のセコイアがシダーと並んで、乾いた木の骨格をつくります。カシミアと記された層は、その硬い輪郭に柔らかな手触りを加えます。
果実の甘さより、涼しい緑と木の香りを身近に置きたいときに向く一本です。スパイスと針葉樹が軸なので、ウールやニットのような素材感のある装いにもなじみます。








