ティエリー・ワッサー

2008年からGuerlainのマスター調香師を務めるスイス人調香師。世界の原料産地とメゾンの処方遺産を往復し、新作と修復の双方を担います。

Switzerland

ティエリー・ワッサー

ティエリー・ワッサーについて

ティエリー・ワッサーは、Guerlainの新作制作と香りの遺産管理を担うスイス人マスター調香師です。原料を抽象的な名前で扱わず、産地へ足を運び、植物、生産者、収穫、地域社会まで理解した上で処方へつなぎます。

経歴

スイスに生まれ、植物への関心を育てた後、1981年に嗅覚試験を経てGivaudanへ入りました。社内訓練を受け、1987年にパリのファインフレグランス調香師となり、その後Firmenichで国際的な制作を経験。2007年頃からGuerlainと協働し、2008年にメゾンのマスター調香師へ就任しました。2014年にはレジオン・ドヌールを受章しています。

創作スタイルと哲学

世界を一つの庭として捉え、植物同士、生態系、生産者との関係を素材選びに含めます。新作だけでなく、規制や原料枯渇で変化する歴史的処方を、単純な一対一置換ではなく全体の建築として修復。過去を神聖化して止めるのではなく、元の感情を守りながら現在の安全性と持続可能性へ接続します。

代表作

  • 『ネロリ ウートルノワ』— ネロリ、茶、煙を光と暗さの対比へした作品。
  • 『ペラ グラニータ』— 洋梨、柑橘、花を果汁感のある明るさへした作品。
  • 『エルブ トゥルブラント』— 緑のハーブ、花、ムスクを透明な揺らぎへした作品。

手がけた香水