クリスティーヌ・ナジェル

エルメスの香水クリエーションを率いる調香師。有機化学の精密さと触覚的な感性を結び、対照的な素材を生き生きと響かせます。

Switzerland

クリスティーヌ・ナジェル

クリスティーヌ・ナジェルについて

クリスティーヌ・ナジェルは、エルメスの香水クリエーションと嗅覚の遺産を率いる調香師です。スイスの規律、イタリア的な明るさ、科学者の観察眼を重ね、香りを手で触れられる素材のように組み立てます。

経歴

ジュネーブに生まれ、同地の大学で有機化学を学びました。Firmenichの研究部門では、クロマトグラフィーを使って香料を分子レベルまで分析。その後Créations Aromatiquesで分析部門を立ち上げ、ミシェル・アルメラックのもとで調香を学びました。複数の香料会社で経験を積み、2014年にエルメスへ参加。2016年にジャン=クロード・エレナを継ぎ、創作と香りの遺産の責任者となりました。

創作スタイルと哲学

色が対置によって輝くように、性格の異なる素材をぶつけ、互いの輪郭を引き出します。革のしなやかさ、花の量感、果実の水分、木の乾きといった触覚を処方の中で扱い、細部を何度も作り直します。伝統を引用で終わらせず、素材と身体が出会う現在の感覚へ置き換えることが創作の核です。

代表作

  • 『ギャロップ ドゥ エルメス』— ローズと柔らかな革を躍動する対比へした作品。
  • 『イングリッシュ ペアー & フリージア』— 熟した果実と透ける花をみずみずしく重ねた作品。
  • 『ウッド セージ & シー ソルト』— 海風、塩、乾いたハーブを開放的な空気へした作品。

手がけた香水