チャプター65

アイアム「チャプター65」は、サボン、ヴァイオレット、オレンジフラワー、ホワイトムスクが清潔な肌の記憶を作る香りです。石けんの透明感に淡い花とアンバーの柔らかさが重なり、近い距離で穏やかに続きます。

#65 · 2025-07-23

Aiam / Chapter 65

香水の基本情報と第一印象

Aíam(アイアム)「Chapter 65(チャプター65)」は、日本発のビューティブランドを代表するオードパルファムです。公式では、どこかあどけなさを残したパウダリックな香り、ヨーロピアンテイストのオレンジフラワーやバイオレットが咲き誇るフローラルブーケ、寄り添うようにエレガントさを引き出すムスクの温もりとして説明されています。香水というより、洗い立てのリネンと肌の温度を、少し華やかな花で包んだような印象です。

第一印象は、清潔感が強いのに、ただの石けんではないところにあります。レモンとベルガモットの明るさ、サボンの白さ、ライラックのやさしい花の入口から、ヴァイオレットとオレンジフラワーのパウダリーなブーケへ進み、最後はムスク、サンダルウッド、アンバーの温かさに落ち着きます。サボンとホワイトムスクがほどく清潔な肌の記憶が、この香りの核です。

チャプター65が人気を得た理由は、香水らしい存在感と、香水が苦手な人にも届きやすい清潔感の間にいるからです。華やかすぎず、幼すぎず、でも記憶には残る。SNSや口コミでは「褒められる」「万人受けするのに被りにくい」「オフィスでも使いやすい」という声が目立ちます。一方で、持続や拡散は控えめに感じる人もいて、強い香水を求める人より、近い距離で柔らかく香らせたい人に向くタイプです。

調香師・ブランドの背景と制作秘話

アイアムは、香りをChapterという番号で提示し、使う人の人生のワンシーンに重ねるブランドです。「誰にでもある、香りが蘇らせる記憶や感情」という考え方が軸にあり、チャプター65も特定の人物像を押しつけるより、使う人の記憶へ入り込む余白を残しています。個人調香師名は公表情報で前面化されていないため、香水ライブラリでは「非公表」マスタに紐づけ、ブランド体験全体として香りを届ける設計として扱います。

チャプター65の作り方で興味深いのは、清潔感だけに逃げていない点です。サボンを入れるとわかりやすい石けん香になりやすいのですが、そこへヴァイオレット、キャロットシード、カルダモン、ベチバーを組み込み、少し粉っぽく、少しスパイシーで、少し土の温度がある香りにしています。この複雑さが、「よくあるサボン」ではなく「記憶に残る肌香」へ変えている部分です。

市場での存在感も大きく、公式ページでは楽天市場の香水・フレグランス部門ランキング、ZOZOCOSME AWARDS、WWDBEAUTY 2024上半期ベストコスメの受賞が紹介されています。つまりチャプター65は、ニッチな香水好きだけに向けた作品ではなく、百貨店やEC、SNSで広く選ばれる現代の日本のフレグランスとして読む必要があります。

香りの詳細分析

トップでは、レモン、ベルガモット、サボン、ライラックが、白く明るい第一印象を作ります。レモンは軽い酸味、ベルガモットは丸い柑橘の明るさ、サボンは洗い立ての清潔感、ライラックは淡い花の柔らかさです。ここは強いシトラスではなく、リネンシーツに日なたの空気が入るような始まりです。

ミドルでは、ヴァイオレット、オレンジフラワー、ローズマリー、カルダモン、キャロットシード、ホワイトムスクが中心を作ります。ヴァイオレットはあどけない粉感、オレンジフラワーはヨーロピアンな花の華やかさ、ローズマリーとカルダモンは清涼感とスパイス、キャロットシードは土の温度、ホワイトムスクは肌になじむ白い柔らかさです。

ラストでは、ベチバー、ムスク、サンダルウッド、アンバーが、香りを温かく落ち着かせます。ベチバーは乾いた根の深み、ムスクは肌の柔らかさ、サンダルウッドはクリーミーな木質、アンバーは穏やかな甘さです。清潔感だけで終わらず、少し大人っぽい温度が残るため、日常使いでも単調になりにくい構造です。

時間変化は、爽やかに始まって劇的に変身するというより、清潔な白さからパウダリーな花、温かい肌へゆっくり寄っていきます。持続は強い香水に比べて控えめと感じる人が多く、香りを長く残したい場合は、ヘアミストやボディミルクなど同じ香りの製品と重ねる使い方が合います。

他の香水との比較・ポジショニング

Diptyque(ディプティック)「Fleur de Peau(フルール ドゥ ポー)」と比べると、どちらもパウダリーなムスクを持ちます。ただし、フルール ドゥ ポーはアイリスやアンブレットの知的でドライな肌感が中心です。チャプター65は、サボンとオレンジフラワーの明るさがあり、より親しみやすく、清潔感が前に出ます。

SHIRO(シロ)「Savon(サボン)」と比べると、共通するのは石けんの清潔感です。シロのサボンはより直線的で軽い石けん香として使いやすく、チャプター65はそこにヴァイオレットの粉感、スパイス、ムスクの温かさが加わります。単純な清潔感より、香水らしい奥行きがあります。

LANVIN(ランバン)「Eclat d'Arpege(エクラ・ドゥ・アルページュ)」と比べると、エクラは透明なフルーティーフローラルとして軽やかです。チャプター65はライラックやムスクの柔らかさに共通点がありつつ、サボンとパウダリーな花があるため、もう少し白く、肌に近い印象になります。

この位置づけで見ると、チャプター65は「清潔感のある万人受け香水」の範囲に入りながら、単なる石けん香ではありません。パウダー、花、ハーブ、スパイス、ムスクを重ね、日常使いしやすいのに少し記憶に残る。そのバランスが人気の理由です。

購入ガイド・価格・おすすめ度

公式オンラインストアでは、50mLが税込16,500円、8mLと100mLのサイズ展開も確認できます。香水以外にも、ヘアフレグランスミスト、ボディフレグランスミスト、ハンドクリーム、ボディミルク、ファブリックフレグランスなどがあり、チャプター65を生活の中で重ねて使えるようになっています。

おすすめしやすいのは、石けん系、パウダリーフローラル、ホワイトムスク、清潔感のある香りが好きな人です。香水初心者、オフィス用、学校や日常の外出、香りで強く主張したくない人にも向きます。逆に、濃厚な花、重いアンバー、長時間の強い拡散、個性的なニッチ香水を求める人には、やや穏やかに感じる可能性があります。

購入前には、つけたてのサボンだけで判断しない方がよいです。10分後のヴァイオレットとオレンジフラワー、30分後のホワイトムスク、1時間後のムスクとアンバーまで確認すると、自分の肌で「清潔」なのか「甘い」なのか「粉っぽい」なのかが見えます。持続を重視するなら、同じ香りのケア製品との重ね使いも選択肢です。

実際の使用感・シーン・評判

実際の評判では、「清潔感がある」「褒められる」「甘すぎない」「万人受けする」「香水が苦手でも使いやすい」という評価が目立ちます。香りの立ち方が強すぎないため、朝の支度、通勤、通学、オフィス、カフェ、友人と会う日など、生活の近い場面で使いやすいタイプです。

一方で、「思ったより早く消える」「オードパルファムとしては持続が短い」と感じる声もあります。また、パウダリーな香りが肌に強く出る人は、ベビーパウダーや防虫剤のように感じる可能性があります。清潔感のある香りほど、肌質や服、季節によって印象が変わりやすいので、ムエットだけでなく肌で試す価値があります。

チャプター65が似合うのは、白いシャツ、淡いニット、洗い立ての髪、日なたの部屋、柔らかいメイク、きちんとしているけれど力みすぎない日です。香水を強いキャラクターとして使うのではなく、「この人の空気は清潔でやさしい」と思わせるための香り。サボンとホワイトムスクがほどく清潔な肌の記憶は、近い距離でいちばんきれいに残ります。

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