20 好奇心の入国審査

好奇心の入国審査は、旧オリジナル No.20(Black tea)と香り・内容が同じパフュームオイルです。ホワイトティーとブラックティーを軸に、柑橘、花、デューベリー、レザーを配した公式の三段構成を持ちます。

#508 · 2026-10-09

The PERFUME OIL FACTORY / 20 Curiosity at Immigration

香水の基本情報と第一印象

パフュームオイルファクトリーの好奇心の入国審査は、お茶を中心に、柑橘、花、ベリー、レザーを組み合わせたパフュームオイルです。以前は「オリジナル No.20(Black tea)」という名前でした。ブランドの改定に伴って名前が変わりましたが、香りと内容は従来品と同じです。旧名にあるブラックティーは、いまもベースノートの一つに置かれています。

紅茶という言葉から入ると、一種類のお茶をまっすぐ描いた香りを思い浮かべるかもしれません。この一本には、ミドルのホワイトティーとベースのブラックティーという、二つのお茶があります。さらにトップにはタンジェリン、ベルガモット、バニラ。ミドルにはミモザとニオイイリス、ベースにはデューベリーとレザーが加わります。九つのノートを眺めるだけでも、お茶の周囲にいくつもの素材を配した構成だと分かります。

現行品は8mlです。細長い円筒形の本体に金色の円筒形キャップ、縦向きのブランド文字が見える商品画像は、小さな一本を手に取る場面を想像させます。まず知っておきたいのは、名前の変化と、香りの構成は別の話だということ。好奇心の入国審査という名で出会う人も、旧名で覚えている人も、同じ香りと内容の一本に向き合えます。

商品に添えられた短編には、収納の少ない部屋で、プリザーブドフラワーの瓶に紅茶やタオル、聴かなくなったCDをしまう語り手が登場します。気に入った色の瓶を開けると、海外のカラフルなドライフルーツがぎっしり。身近なものを入れていた瓶から思いがけない色彩が現れる場面は、紅茶の一語には収まらないこの作品の広がりとも重なります。

調香師・ブランドの背景と制作秘話

パフュームオイルファクトリーは2012年に設立され、2016年には銀座本店を開きました。ブランドが掲げる言葉は「名も無き一日を、香りで彩りたい。」。特別な行事だけでなく、その日の気分や場面に合わせて香りを選ぶという考え方が、31種類のオリジナルパフュームオイルにつながっています。好奇心の入国審査も、その中の一本です。

31種類という数は、一ヶ月のさまざまな気分や場面を思い描いて開発されたことに由来します。番号のあるパッケージを二つ並べ、日付のように見せるギフトの使い方も紹介されています。数字は香りを探す目印であると同時に、誰かと過ごした日や、これから迎える日を選ぶ楽しみにもつながります。No.20という番号を持つ本作も、そうした日々の選択肢の一つとして見ることができます。

ブランドは、パフューマーの手で丁寧に調香したパフュームオイルだと説明しています。ブランド全体の製造については、アルコールと水を使わず、手作りで調合・製造すると述べています。世界各地の香りの文化に触れ、日本と海外で異なる原料の使用基準なども踏まえて試行錯誤したという背景があります。

本作に固有の物語として残るのは、プリザーブドフラワーの瓶を開ける短編です。紅茶、タオル、聴かなくなったCDといった日常の持ち物から、色とりどりのドライフルーツへ。小さな瓶の中身が意外な方向へ広がる場面は、ホワイトティーや花、ベリー、レザーまで含む香りの構成を読むときにも、記憶に残る入口になります。

香りの詳細分析

香りの構造は、トップ、ミドル、ベースの三段階で示されています。これは、それぞれにどのノートが置かれているかを知るための手掛かりです。

トップはタンジェリン、ベルガモット、バニラです。二つの柑橘に、甘さを思い浮かべるバニラを同じ段階に置いています。紅茶という旧名だけを見ていた人には、ここに柑橘とバニラがあることが、最初の発見になるでしょう。柑橘が先で甘さが後から来ると決めつけず、三つを香りの入口として受け取るのが自然です。

ミドルにはミモザ、ニオイイリス、ホワイトティーが並びます。ニオイイリスはアイリスの一種。花の名前を持つ二つのノートと白茶が、同じ段階に置かれています。ブラックティーを中心に思い描いていた人にとっては、ここで別のお茶が現れる点が大切です。花だけ、お茶だけで区切るよりも、両方を組み合わせたミドルとして捉えると、九つのノートのつながりが見えてきます。

ベースはブラックティー、デューベリー、レザーです。旧名にも使われたブラックティーが、果実を表すデューベリー、革を表すレザーと並びます。紅茶のノートが単独で置かれているわけではありません。お茶を中心に据えながら、ベリーとレザーにも視線を向けた構成です。ホワイトティーからブラックティーへと二種類のお茶が配置される一方、トップからベースまでを通して、柑橘、花、果実、革という異なる素材名が続きます。

この構成を一言で表すなら、お茶の香りを九つのノートで広げたパフュームオイル。どの素材が肌の上で主役になるか、甘さや革の印象をどの程度感じるかは、実際に試して確かめたいところです。ノートの表だけでも、紅茶の一語から想像するより豊かな組み合わせを読み取れます。

他の香水との比較・ポジショニング

好奇心の入国審査の特徴は、ホワイトティーとブラックティーに加え、柑橘、花、デューベリー、レザーまで配していることです。お茶を使ったほかの作品と比べるときは、共通する素材を入口にして、そこから何を重ねているかを見ると違いが分かりやすくなります。

ビーディーケー パルファムのグリ・シャーネルとは、ブラックティーとアイリスを共有します。一方、好奇心の入国審査にはデューベリーとレザーがあり、グリ・シャーネルはフィグ、カルダモン、サンダルウッドを重ねます。お茶とアイリスに関心がある人なら、果実や木、革をどのように組み合わせているかが、選ぶ際の比較点になります。共通する二つの素材から入りながら、それぞれの構成の違いを確かめられます。

ル ラボのテ ノワール 29と共通するのは、ブラックティーとベルガモットです。紅茶と柑橘という入口が近くても、続く素材は異なります。好奇心の入国審査にはバニラ、デューベリー、レザーがあり、テ ノワール 29にはフィグ、シダーウッド、ベチバー、ムスクが使われています。紅茶とベルガモットを手掛かりに二本を試せば、ベリーやレザーを含む構成と、木やムスクを含む構成のどちらに心が向くかを考えられます。

ミラー ハリスのティー トニックとは、ベルガモットと、お茶を題材にする点でつながります。好奇心の入国審査はホワイトティーとブラックティー、ティー トニックはグリーンティーとアールグレイティーを使います。ティー トニックにはバーチタールもあります。同じ「お茶の香水」という言葉でも、選ばれたお茶の種類と、それを囲む素材は同じではありません。二種類のお茶にベリーとレザーも求めるなら、好奇心の入国審査が候補になります。

購入ガイド・価格・おすすめ度

好奇心の入国審査の現行品は8mlのパフュームオイルで、2026年時点の公式価格は税込7,260円です。価格や販売状況は変わるため、購入前には最新の商品情報を確かめてください。旧名の「オリジナル No.20(Black tea)」を探していた人にとっては、現行名を知ることが商品を見つける助けになります。名前は変わっても、香りと内容は従来品と同じです。

試すときは、ブラックティーだけを期待して選ぶより、九つのノートを頭に置くと判断しやすくなります。タンジェリン、ベルガモット、バニラのトップ。ミモザ、ニオイイリス、ホワイトティーのミドル。そしてブラックティー、デューベリー、レザーのベース。とくにお茶とレザーの組み合わせに興味がある人には、確かめる理由がはっきりした一本です。

花やバニラ、ベリーも含まれるため、紅茶の一語だけで香りを決めつけず、肌で好みを確かめたいところです。香りの強さや残り方を数字で決めるよりも、まずは自分にとってお茶、果実、レザーがどう感じられるかを見る。そのうえで、31種類から日々の気分で一本を選ぶというブランドの考え方に、この作品が合うか考えるとよいでしょう。

実際の使用感・シーン・評判

秋の昼、カフェでひと息つくときや、読書の時間。好奇心の入国審査は、お茶とレザーの組み合わせを楽しみたい日に選ぶ候補になります。シャツに薄手のニットを重ねるような装いにも合わせやすそうです。落ち着いた時間に、紅茶だけで終わらない素材の取り合わせへ意識を向ける。そんな選び方が、この一本には似合います。

季節や場面について決まった答えがあるわけではありません。秋の昼という提案も、お茶とレザーを楽しみたい時間から考えたものです。花や柑橘、バニラ、ベリーにも惹かれるなら、同じ一本を別の気分で選ぶ余地があります。31種類を一ヶ月の気分や場面に重ねるというブランドの発想は、香りを一つの役割に閉じ込めずに選ぶ楽しさを教えてくれます。

肌の上での時間ごとの変化や持続は、実際に試して判断したいところです。まずはトップ、ミドル、ベースに置かれた素材を確かめ、自分にはどのお茶が印象に残るか、ベリーやレザーをどう感じるかに耳を澄ませるように向き合ってみる。旧名のブラックティーを入口にしても、新しい名前から手に取っても、最後に選ぶ理由になるのは、自分がその日の香りに何を求めるかです。

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