ウーロン・ティー
ワンデイ「ウーロン・ティー」は、焙煎された茶葉の煙たさ、蜂蜜の柔らかさ、和菓子のような甘みへ進むティーフレグランスです。爽やかな茶の香りにとどまらず、火入れした葉の苦みと温度が肌に残ります。
#238 · 2026-01-12
香水の基本情報と第一印象
ONE DAYは2017年に香港で創業したニッチフレグランスブランド。「ウーロン・ティー」は「Tea Exclusives」コレクションの一つで、世界で最も写実的と評される焙煎烏龍茶の香りです。第一印象は、茶筒を開けた瞬間の乾燥した茶葉と、熱湯を注いだ時の蒸気。静寂と温もりを感じさせます。
調香師・ブランドの背景と制作秘話
調香師のマイケル・ワンは香港出身。台北旅行中に訪れた「青田茶館」での体験がこの香水のベースになっています。「台北の静かな路地にある日本風の中庭で過ごす午後」をコンセプトに、構想から発売まで約3年を要しました。ブランド名「ONE DAY」には「ある日」の記憶を蘇らせるという意味が込められています。
香りの詳細分析
**トップノート**はウーロン茶葉、ベルガモット、クラリセージ。かなりスモーキーで、人によっては「タバコの葉」と感じるほどの強い焙煎感があります。これは独自の茶葉ティンクチャーによるもの。
**ミドルノート**は蜂蜜とジャスミン。渋みが和らぎ、中国茶で言う「回甘(飲んだ後の甘い戻り)」のような、とろりとした甘さが出てきます。蜂蜜ケーキや甘い米菓子をイメージしたグルマンな展開です。
**ラストノート**はベチバーとトンカビーン。穏やかでパウダリーな、木の温もりを感じる香り。茶館の古い柱や床を想起させます。
他の香水との比較・ポジショニング
お茶系香水の中では、ウーロン・ティーは爽やかなグリーンティーではなく、焙煎茶葉の苦味と蜂蜜の甘さを描くタイプです。ニシャネのウーロンチャが明るいシトラスティー寄りなら、ONE DAYはもっと茶館の空気に近く、スモーキーで静かです。
リフレッシュ目的のお茶香水というより、読書や休息に寄り添うスキンセントです。派手な香りではありませんが、茶葉の質感をリアルに楽しみたい人には強く刺さるポジションにあります。
購入ガイド・価格・おすすめ度
60mlのワンサイズ展開で、ハンドメイド製造。2022年「Art and Olfaction Awards」アルチザン部門で最優秀賞を受賞した実力派です。派手さより深みを求める方、本物の茶葉の香りを愛する方におすすめ。爽やかなリフレッシュ感を求める方には、Nishaneの「ウーロンチャ」が向いているかもしれません。
実際の使用感・シーン・評判
拡散性は控えめなスキンセントタイプで、自分だけで楽しむ香りです。秋冬の読書タイム、静かなカフェ、就寝前のリラックスに最適。厚手のニットやウールコート、着物との相性が良いです。「香害」になりにくく、ハグする距離の親しい人にだけ香る、守られているような温かさがあります。


