ピオニーフローラが捉えるのは、ピオニーがつぼみから花へと開こうとする、短いひととき。まだ咲ききらない花の繊細な表情を、フレッシュな柑橘と柔らかなフローラルで描いたオードトワレだ。フランスのドローム地方で得たピオニーのエクストラクトを用い、日に照らされた花の庭や草原に着想を得ている。2015年に紹介されたピオニーフローラの、明るい花と穏やかな木を楽しむ作品。現行の50mLは、香りの主題となる小さな開花の瞬間を、簡潔なガラスの姿に収めている。
グレープフルーツのほろ苦さと、ベルガモットの果皮を思わせる明るさが、フレッシュな入り口をつくる。ピオニーには、花びらの柔らかさと、風通しのよい甘さがある。柑橘の青い輪郭を添えることで、咲き始める花の軽やかな表情を引き立てる。基調のホワイトムスクは、なめらかで清潔な感触を、サンダルウッドは、丸みのある木の温もりを与える。花を濃い甘さだけで見せるより、果皮の明るさと、肌になじむような柔らかさを重ねる組み合わせ。すっきりした花の香りを、優しい木とともに楽しみたい人に向く。
春の庭を訪れる日や、晴れた午後に外で過ごす時間に試してみたい。軽いワンピースや淡い色のシャツに、柑橘と花の柔らかさを添える使い方が似合う。採用した50mLは、かすかに黄色を感じる液体を透明なガラスに収めている。黒い円筒形のキャップと輪状の首元が、なだらかな肩に重なる。明るいラベルにはピオニーフローラの名を二段で置き、下部にオードトワレの文字を配している。丸いラベル下端と厚いガラス底が、花の軽やかな着想を静かな輪郭で見せる。




