題材は、英国で受け継がれてきたマーマレード作り。鍋の上で煮詰まっていくオレンジの皮から、明るい香りとほろ苦さが立ちのぼります。果皮の苦みとマーマレードの甘さがひとつの瓶に同居していること、それ自体が着想の出発点です。英国らしい保存食を、洗練された香りに仕立て直しています。
始まりはオレンジピールのアコード。刻んだ皮を噛んだときのような苦みと青さがあり、天然のオレンジの香りを持ち上げる役も担います。続く天然のビターオレンジは、弾けるような明るさで全体を満たしながら、皮の質感をいっそうくっきりさせます。柑橘が二段に重なるため、果汁の甘さよりも厚い皮の香りが前に出ます。
土台には天然のパチョリとクラリセージ。パチョリの深いウッディさが柑橘の明るさを受け止めて香りを長く保たせ、クラリセージがハーブの青みを少し添えます。煮詰めた果皮の照りと温かな木が合わさって、金色を思わせる仕上がりに。



