オリヴィア・ジャコベッティ

独立制作と自身のメゾンを通じて、空気、影、素材の不在まで香りにしたフランス人調香師。簡潔な処方で記憶の入口を作ります。

France

Olivia Giacobetti

オリヴィア・ジャコベッティについて

オリヴィア・ジャコベッティは、素材そのものだけでなく、その周囲の空気や消えた後の痕跡まで作品にするフランス人調香師です。目に見える対象を濃く再現するより、煙、湿度、白い光、乾いた木のような手がかりを置き、嗅ぐ人の記憶が続きを作る余白を残します。

経歴

9歳のとき、映画に登場する調香師を見て仕事を志し、16歳で香水の現場へ入りました。翌年Robertetへ移り、約7年間アシスタント調香師として原料と処方を学習。1990年、24歳で独立会社Iskiaを設立し、数多くのメゾンの依頼を手がけました。2003年には自身の創作世界を展開するIUNXを始め、香水、キャンドル、空間の匂いを横断しています。

創作スタイルと哲学

匂いを物の説明ではなく、時間と記憶を呼び戻す媒介として扱います。少ない線で輪郭を作り、透明感の中に煙や木、皮、樹液の小さなざらつきを残します。静かに見える構成でも空虚にはせず、素材が現れたり遠のいたりする距離そのものを表現に変えています。

代表作

  • 『フィロシコス』— 葉、樹液、果肉、木を、一株の周囲を歩くように構成した作品。
  • 『パッサージュ ダンフェ エクストリーム』— 白い花、煙、香料樹脂を静かな光と影へした作品。

手がけた香水