ジャン=フランソワ・ラポルト
化学と植物学を背景に、1970年代から独立系香水の新しい題材と流通を切り開いたFranceの調香師・起業家です。
France
Jean-François Laporteについて
Jean-François Laporte(1938–2011)は、香水の題材、作り方、売り方を一体で問い直したFranceの調香師・起業家です。植物を観察する科学的な好奇心と、食、旅、庭、古い工芸まで香りにできる遊び心を結び、後にniche perfumeryと呼ばれる領域の前提を作りました。
経歴
若い頃に化学を学び、植物学への関心を深めました。1970年代前半、友人から依頼された衣装小物の香りをきっかけに本格的な制作へ進み、1976年に最初の香水メゾンを創設。1988年にはFranceの香水と手袋の歴史、旅、opera、baroque美術を発想源とする別のメゾンを立ち上げました。大量広告に頼らず、専門店で作者の考えを伝える方法も実践しました。
創作スタイルと哲学
花を豪華に飾るだけでなく、果実の酸味、湿った土、香辛料、薬草、煙といった当時は香水の主役になりにくかった匂いを、明快な着想へします。古典的な素材や技法を否定せず、題材と配合の自由を取り戻す姿勢でした。小さなブランドだからこそ実験できることと、日常に着用できる均衡を両立し、香水を個人の好奇心へ近づけました。
代表作
- 『ミュール エ ムスク』— 黒い果実の酸味と清潔なmuskを、簡潔で長く残る対比へした作品。
- 『アンブル プレシュー』— resin、vanilla、woodを、乾いた温度と奥行きへした作品。
- 『ルート デュ ベチバー』— 根、土、木を、荒々しさの残るvetiverの肖像へした作品。