カルロス・ベナイム

タンジェの植物と市場の記憶を、化学と明快な構成へ結ぶアイ・エフ・エフのマスター・パフューマー。半世紀以上にわたり大規模な香水と作者性を両立します。

Morocco

Carlos Benaïm

カルロス・ベナイムについて

カルロス・ベナイムは、モロッコのタンジェで覚えた薬草、煙草、市場、オレンジブロッサムの匂いを、化学教育と大規模な香水開発の明快な構造へ結ぶ調香師です。広い市場へ届く強い記憶性を持ちながら、素材の出自と個人的な感覚を失わない仕事で知られます。

経歴

薬剤師だった父の仕事を通じ、幼少期から植物や精油に触れました。トゥールーズで化学を学び、グラースでの経験を経て1967年にアイ・エフ・エフへ入社。ベルナール・シャンやエルネスト・シフタンのもとで調香を学び、ニューヨークを拠点に半世紀以上活動しています。アイ・エフ・エフでマスター・パフューマーの称号を得て、2014年にはフレグランス・ファウンデーションの生涯功労賞を受けました。

創作スタイルと哲学

天然素材の複雑さをそのまま濁りにせず、最初の印象、中心の署名、残香の骨格が読める形へします。オレンジブロッサムや花の熱、パチョリ、苔、木、ハーブを大胆に置き、少数の強い対比から記憶を作ります。共同調香では一人の声へ均すのでなく、技術や感覚の違いを役割として組み、巨大な商業規模でも作者の判断を残します。

代表作

  • 『リブレ』— オレンジブロッサムの熱とラベンダーの冷たさを対置した共同調香。
  • 『オードゥマグノリア』— マグノリア、柑橘、木を、明るく風の通る構造にまとめた作品。
  • 『レッドドア』— 赤い花、蜂蜜、木を、舞台のように大きな華やかさにまとめた作品。

手がけた香水